第２回 国際癌治療増感研究協会
菅　原　賞

松　田　忠　義　　氏

東京都保健医療公社多摩南部地域病院

＜略歴＞

＜主な研究テーマとその成果＞

昭和25年弘前医科大学放射線科に入局して以来、一貫して追求して来たことは放射線治療に伴う副作用を軽減し治療効果を高めるための治療技術の開発と臨床応用である。すなわち、1）回転横断撮影ならびにCTの放射線治療への応用　2）高エネルギ−電子治療法　3）放射線治療におけるコンピュ−タの利用　4）コンピュ−タ制御による原体照射法　5）温熱療法を併用した放射線治療である。これらの研究は諸外国に先駆けた独創的なもので、我が国での臨床応用の先鞭をつけたものである。とくに温熱療法に関しては、多くの論文を執筆（業績(A)参照）する一方、国際ハイパ−サ−ミア学会（1992）での講演、厚生省癌研究班長（1984-89）、第10回日本ハイパ−サ−ミア学会会長（1991-95）をつとめ、さらに温熱療法の健保適応（1990）に努力した（業績(B)から(E)参照）。

＜業績＞

1. 主な著書（単行本）
   1. Cancer Treatment by Hyperthermia, Radiation and Drugs; Ed. T. Matsuda. Taylor & Francis, London/ Washington D.C., 1993
   2. ハイパーサーミアの臨床; 松田忠義他編. 医療科学社, 1999
   3. ハイパーサーミアマニュアル; 松田忠義編. マグブロス出版, 1991
2. 国際ハイパーサーミア学会（1988, 1992, 2000年）において、日本を代表して講演す。
3. 厚生省がん研究班班長（1984-89 年）
   「がんの全身的ならびに深部局所的温熱治療体系の確立に関する研究」
4. 第 10 回日本ハイパーサーミア学会会長（1991-95 年）
5. 温熱療法の健保適応に努力（1990 年）

＜推薦者＞

田　中　敬　正　氏
関西医科大学名誉教授

＜推薦理由＞

1950年高橋信次教授が主宰される弘前医科大学に入局されて50年、２つの大学と３つの総合病院で卓越した指導者のもと治療と研究に従事されました。とくに「がん」の放射線治療において、その治療効果比を高めるために物理的のみならず生物学的手段で努力されました。前者には回転横断撮影、CT、MRIの利用、原体照射法などがあり、後者には癌の温熱療法がありますが、共に世界に先駆けて臨床への応用に尽力されたものです。とくに温熱療法では我が国のみならず世界のハイパ−サ−ミア学会の指導者としてレベルアップに努力され、国際学会の招待講演や厚生省癌研究の班長として活躍されました。また、多くのこれに関する論文、書物があります。これの臨床応用に努力され、保健適応に盡力されました。今後もこの道でのご指導をお願いする意味も含めて、ここに菅原賞を推薦します。

＜連絡先＞

松　田　忠　義
東京都練馬区谷原2-6-48
TEL: 03-3995-6978
FAX: 03-3995-6978